クラウディア シェインバウム氏、メキシコ初の女性大統領が 誕生。

大統領選が行われたメキシコで、現地時間の2024年6月2日、クラウディア・シェインバウム氏が大差で勝利を収めました。メキシコ初の女性およびユダヤ系の大統領が誕生したことで、同国は歴史的な節目を迎えます。

現在61歳のシェインバウム氏の勝利は、左派政党である国家再生運動(Morena)とアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール現大統領にとっても勝利となりました。

ロペス・オブラドール大統領は、自身が望む後継者としてシェインバウム氏を熱烈に応援していました。

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メキシコ初の女性大統領、クラウディア シェインバウム氏の 経歴は?

クラウディア・シェインバウム氏は、1962年生まれの61歳。首都メキシコシティー出身で、祖父母は東欧からのユダヤ系移民です。

ロイター通信などによりますと、シェインバウム氏はメキシコ国立自治大学(UNAM)で物理学の学位やエネルギー工学の修士号と博士号を取得しており、アメリカのカリフォルニア大学バークレー校でも学んだ学歴を持っています。

本業はメキシコ国立自治大学 (UNAM) で博士号を取得した科学者で、エネルギーや環境、持続可能な開発に関する100本以上の論文と2冊の著書を著しています。

2007年にノーベル平和賞を受賞した気候変動に関する政府間パネル (IPCC) にも加わり、2018年には英国放送協会 (BBC) の「100人の女性」に選出されました。

これまでに科学者として再生可能エネルギーや気候変動に関する研究に熱心に取り組み地元メディアなどによると、シェインバウム氏は現在のロペスオブラドール大統領がメキシコシティーで市長を務めていた2000年から、市の環境政策を率いました。

その後、2018年から2023年までメキシコシティー初の女性市長を務めたあと、ロペスオブラドール大統領の後継者として今回の大統領選挙に立候補しました。

昨年、メキシコ中央銀行の幹部と再婚しており。元夫との間に娘が1人と義理の息子が1人います。

男性優位主義社会でメキシコ初の女性大統領誕生、前メキシコシティ市長のクラウディア シェインバウム氏。

メキシコは、根強い男性優位主義社会でしたが、転換点となったのが2002年の「クオータ制」の導入です。

この「クオータ」というのは「割り当て」という意味で、選挙の際、候補者に一定の女性枠を設けることによってジェンダー格差を解消する仕組みです。

メキシコでは女性議員の割合が「30%以上」になることを義務づけました。その後も、政党の候補者を「男女同数」にすることを義務づけ、今では「議会の半数以上」が女性議員となっています。

しかし現実では「マチズモ」と呼ばれる男性優位主義の考え方があり、「フェミサイド」と呼ばれる女性への暴力が横行する社会でもあります。選挙が終わった後でも、数日のうちに二人の女性政治家が殺害されています。

このようなメキシコ社会でシェインバウム氏の大統領当選は画期的な事です。

メキシコ初の女性大統領、クラウディア シェインバウム氏のこれからの課題

シェインバウム氏は、汚職や利権の排除、最低賃金引き上げなどの政策を進め人気が高かった現職のロペスオブラドール大統領の路線継承を掲げています。また治安対策が重要な課題となります。

メキシコの人口は約1億2601万人とほとんど日本と変わりありませんが、治安には問題があり2021年の殺人件数は日本が874人に対し、メキシコは2万9228人と日本の約33倍、年間3万人に近い件数があるということです。

それに対してシェインバウム氏は「メキシコを平和と安全に導く」と語っています。

さらに、女性であることを理由にした殺人「フェミサイド」を専門に取り締まる部署を創設することも公約にしています。

これらの公約を実行していくことがシェインバウム氏のこれかの大きな課題になります。

就任式は10月におこなわれ、任期は6年です。メキシコ初の女性大統領としてこれからも注目していきたいと思います。

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