トランプ氏、副大統領候補にJ・D・ヴァンス上院議員を指名。どんな人物か?

 トランプ前米大統領は15日、J・D・ヴァンス上院議員(オハイオ州選出)を副大統領候補に選出しました。以前はトランプ氏を痛烈に批判していました。そのヴァンス氏がなぜ副大統領候補に指名されたのでしょうか。

またヴァンス氏の生い立ちや経歴はどのようなのか詳しく見ていきたいと思います。

目次

副大統領候補J・D・ヴァンス上院議員の生い立ちは?

本名はジェームズ・デイヴィッド・ヴァンスです。1984年8月2日生まれで今年の誕生日で40歳になります。生まれはオハイオ州ミドルタウンで、いわゆるラストベルトといわれているところです。

ヴァンス氏は白人と言ってもいわゆる「WASP」ではなく「スコッツ=アイリッシュ」系で、「ヒルビリー(田舎者)」、「レッドネック(首筋が赤く日焼けした白人労働者)」、「ホワイト・トラッシュ(白いゴミ)」などと呼ばれる労働者階級の出身だそうです。

しかし「白いゴミ」とは酷いですね。

母親は薬物依存で何度も結婚と離婚を繰り返し、家庭内も荒れていたようで姉と一緒に祖父と祖母に助けられながら育ったようです。

家庭に問題が在ったので学校の成績も低下し、高校落第の危機もあったが祖母の得て何とか乗り切ったようです。

高校卒業後、海兵隊に入隊しイラクに派兵されました。

ヴァンス氏は海兵隊での経験を非常に重要視しており、自身の回顧録の中で、「海兵隊で大人としての生き方を教えてくれた」と述べています

副大統領候補J・D・ヴァンス上院議員の学歴は?

公立ミドルタウン高校卒業後、いとこのレイチェルさんの勧めで海兵隊に入隊。

除隊後G.I.ビル(退役軍人教育支援制度)を利用してオハイオ州立大学に入学、政治学と哲学を学び学士号を取得し2009年に卒業しました。

大学在学中に共和党の上院議員ボブ・シューラーの下で働きながら政治と法律の世界に興味を持ちました。

その後イェール大学のロースクールに入学し法務博士号(JD)を取得、2013年に卒業しました。その時教授のエイミー・チュアによって自伝を執筆することを勧められました。それがベストセラーにもなった「ヒルビリー・エレジー」です。

家は貧しかったけど、学歴はエリートクラスですね。かなり努力をしたと思われます。

副大統領候補J・D・ヴァンス上院議員のこれまでの社会人としての経歴は?


ヴァンス氏はロースクール卒業後、2016ピーター・ティールが支援するベンチャーキャピタル会社であるMithril Capital Management, LLCの社長として働きました。

また、自身の経験を生かしてオハイオ州にNPO「Our Ohio Renewal」を設立し、地域の薬物依存問題や経済的な課題に取り組みました。

さらに、オハイオ州シンシナティにピーター・ティールなどの資金援助を受けてNarya Capitalを共同設立し、同社のために9300万ドルを調達しました。

ヴァンス氏は2016年に自伝『ヒルビリー・エレジー』を出版し、ベストセラーとなり2020年に映画化されました。この著書は、彼の幼少期の経験とアメリカ中西部の貧しい白人労働者階級の生活を描いたものです。

副大統領候補J・D・ヴァンス氏の上院議員としてのキャリアは?

ヴァンス氏はかってトランプ氏のことを「皮肉屋のろくでなし」、「アメリカのヒトラー」などと呼んで批判していましたが、2021年になると過去のコメントを後悔していると述べ、トランプ氏と和解し強固な支持者になりました。

2022年、J.D. Vanceはオハイオ州から共和党の候補として上院選に立候補しました。

元上司のピーター・ティール氏から1000万ドルの支援を受け、またトランプ氏の支持を得ることにも成功し、上院選で当選し2023年1月第118回米国議会議員として米国上院に就任しました。

ヴァンス氏は2022年に初めて上院議員に当選したばかりで、政治家としての経歴が非常に短いこともあり主要な業績はまだありません。

副大統領候補J・D・ヴァンス氏の政治的立場は?

  • 共和党内で保守的な立場を取っており、党内きっての「孤立主義者」として知られています。「米国第一」の外交・安全保障政策を強く主張しています。
  • 経済政策では保護主義的な姿勢を示し、関税引き上げや自動車産業などの製造業の再興を支持しています。
  • ウクライナ支援に反対し支援が米国の国益にならないとし、停戦のためにウクライナ側の領土譲歩も主張しています。
  • 中国に対して強硬な姿勢を取り、欧州より東アジアの問題に関心があるとし対中国政策を優先すべきだと考えています。
  • 移民政策では移民の侵入を阻止する、不法移民の大規模送還などを指摘している。労働力不足は米国人の労働参加で解決すべきだと主張しています。
  • トランプ前大統領の政策を強く支持し、トランプ氏の「米国を再び偉大に(MAGA)」アジェンダを推進しています

ヴァンス氏の政治的活動は、保守的な政策と「米国第一」の姿勢を特徴としており、トランプ氏の「MAGA」の路線を踏襲しつつ、特に経済と外交政策において独自の主張を展開しています。

副大統領候補J・D・ヴァンス氏の家族について。

配偶者:ユーシャ・チルクル・ヴァンス
インド系アメリカ人です。カリフォルニア州で移民の両親のもとに育ち、ケンブリッジ大学で哲学の修士号を取得し、その後イェール大学ロースクールで法務博士を取得しました。彼女は最高裁判所判事であるブレット・カヴァノーとジョン・ロバーツの下で書記官を務めました。

子供
イーワン: 長男で、現在6歳です。

ヴィヴェック:次男で、現在4歳です。

ミラベル: 長女で、現在2歳です。

ヴァンス氏とユーシャ氏はイェール大学ロースクールで出会い、2014年に結婚しました。彼らの結婚式はケンタッキー州で行われ、キリスト教とヒンドゥー教の要素を取り入れたインターフェイスの儀式でした。

夫婦は異なる宗教的背景を持っていますが、共通の価値観を持って子供たちを育てています。彼らはオープンなコミュニケーションを重視し、子供たちに対する愛情とケアを大切にしています。

以上がヴァンス氏の生い立ち、経歴です。まだ39歳と若く、トランプ氏の後継者としても期待されているJ・Dヴァンス氏。これからどんな活躍をするか注目していきたいと思います。



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